胸鎖関節と肩鎖関節

鎖骨の運動は肩の位置を決定します。胸鎖関節は上肢と体幹を連結する唯一の関節で、鎖骨を介して肩甲帯の運動を制限します(腕を付け根から切り離する時、付け根を切断しなくても、この関節を外せば目的は達せますが真似しないで下さい)。
胸鎖関節と肩鎖関節_b0165362_883282.jpg
この関節は胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の胸骨端とが主としてつくる浅い鞍状の関節です。
両者だけでは適合があまり良くないため、円板が介在し胸肋関節面上に適合させますので球関節に近い動きが可能になります。
胸鎖関節の可動性は上肢の運動範囲に影響し、約30°の回旋が可能です。
鎖骨の外側端が挙上すると内側端は下外(後)方に滑走し、この動きは肋鎖靭帯と鎖骨下筋の緊張により制限されます。
鎖骨が下降するとその内側端が挙上します。この動きは胸鎖靭帯と鎖骨と第1肋骨上面間の接触により制限されます。

肩鎖関節は肩甲骨を懸垂し肩甲骨の運動の約1/5を担いますので、肩鎖関節は肩甲骨の回旋の中心です。
この関節における肩甲骨の運動は、その関節窩の向きを変えながら(肩甲骨の回旋)上腕骨の運動域を大きくすることです。
この運動が特に著しいのは、上腕の屈曲と外転の時、肩甲骨の下角が外側に回るときです。肩甲骨の下角を内側に回す運動は上腕の伸展、特に後内側に上げるときに起きます。

肩鎖関節面を強く保持するのに三角筋と僧帽筋の交換し合った線維が重要な役割を受け持ち、肩鎖関節での亜脱臼の傾向を減じます。
肩鎖関節は胸鎖関節と共同して働き、肩甲骨が肩関節の運動に随伴することを可能にします。肩鎖関節での30°回旋が追加され、肩甲骨の60°回旋を発生します。

この部の骨運動は僅かにずれる程度ですが、関節面では滑走と軸回旋が生じます。(明日は調整法について)。

by kappanochiro | 2013-08-04 08:10 | カイロプラクティック | Comments(2)  

Commented by tenorsaxt at 2013-08-04 19:01
肩の痛み・・・せぼねでは直接肩の治療はしません)
てげてげで・・・(笑)
明日を楽しみに
先ほどU大御所をお送りしました。美味しいお店、見つけました(笑)
Commented by 松本徳太郎 at 2013-08-05 08:14 x
この資料はカイロ協会と品川支部の研究会で行ったものです。事務職は肩こりが多いですから、患者さんには、父の脊椎体操を紹介しています。

<< 肩の総合的機能評価に必要な運動... 鎖骨の運動をから考える肩の治療法 >>