偏差値と成功率(昨日の続き)

技術の偏差値が高いほうが施術の成功率は高いか?イエスもあればノーもある。物事を成すのに、偏差値の高い人が必ずしも成功するとは限らず、それほど高くない人が成功する例はいくらでもある。開業したての頃の技量を思い出せば納得できるだろう。成功率と患者さんの満足度(受療の心理)はイコールではないし。

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大リーグで活躍をした選手でも、日本野球で成功するには日本の野球に溶け込む努力が必要である。仕事をしている場所は日本なのだから、日本式のスタイルを理解することが大事で、野球とベースボールの差だとも表現される。

大リーグのプライドの高さが妙なエリート意識になって鼻につくといけない。治療家にも当てはまり、こういう意識は学会でも発表して、高い評価をしてもらえば良いのだ。患者さんに説明するのは「分かりやすさ」が大切だから、プライドは自分の胸にしまっておき、必要な時に出せばいいものだろう。


施術で重要なことは、特別なテクニックを用いることではなく、どの組織に対し、いかに技術を応用するかの明確な意図を気持ちの中に持つことだろう。施術の技術は伝統芸能の修行で叩き込まれる昔風の芸に近く、この意識を強く求められる類の技術だ。

技術は実用してこそ技術であって、頭では理解したつもりでも実際にやってみなければ実用性の度合いは判断できない。理屈ではなく、身体が思うたように動かなければ、実用にはほど遠いものであるのは解るであろう。エリートにも弱点はある。安心した?日本カイロ協会令和6年3月研究会レジュメ要旨


# by kappanochiro | 2024-03-27 08:51 | カイロプラクティック | Comments(0)  

高性能の要因に使いやすさ

1、利便性とゼロ戦の凄さ

機械の高性能を支える大事な要因に「使いやすさ」があるそうで、基本技術を思えたら、それなりに使えるという利便性である。時代は戦時中になるが、海軍航空隊を象徴したゼロ戦は実に操縦しやすく、地上で習った操縦の基本技術で、いきなり空に飛び立っても操縦できたそうです。操縦士の操縦レベルはピンからキリまであるわけだから、操縦が難しいと実戦配備できず、優秀な飛行機でも宝の持ち腐れになってしまう。飛行時間の短い航空兵でも操縦できる飛行機でないと配備できない。

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これは、手技のテクニックでも通じる。基本を学ぶなかで、自分のテクニックの特徴を探り、実戦の中で捻りを加え、自分ならではの味のある技を開発する、これだ。技術の上達に伴う変化を探りながら進もう。


手技のリスクは工夫によって変動できるもので、これが技法の進展になり実用性を高める。

ベテランの先生方の技術にはピカリと光るものがあり、口の重たい先生でも技術論になると口を開いてくれる。「見どころがある」と思ってくださったらしめたもの。自分の分野にいる人の出す結論は、第三者の出すそれよりも楽観的になる傾向があるので、井の中の蛙にならないようにしよう。明日に続く。日本カイロ協会令和6年3月研究会レジュメ要旨。


# by kappanochiro | 2024-03-26 09:29 | カイロプラクティック | Comments(0)  

ストレスの感じ方&解消法

ストレスの解釈は漠然としており、語源はゴムボ-ルを押すとへこむけど、手を放せば元に戻る。この戻す力をストレスと言っていたそうだ。最近は押すこと、押されている状態、戻す力をすべてストレスと呼んでいるようで、それも身心のうち精神的ストレスとして「心」に加わるストレスの方が重要視されるようになった。

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しかし健康管理というと身体的なチェックが主で、その結果に伴い栄養指導や運動指導が組み合わされています。したがって精神的ストレスである心のチェックは従の位置付けです。ことに日本人は心の不安や悩みを打ち明けることを苦手としています。


しかしコロナ禍の自粛行動による身体活動の低下が精神面に悪影響を及ぼすことが報告されるようになりました。身心一如から目れば当然なのですが、精神的な負担が極めて特殊であるのは、自覚的にも他覚的にも数値化できない異常を持って判断される特質です。

データーで数値化されるのになじまない性質を持ち、異常と問題となるのは言動の異常です。気をつけませんと。


# by kappanochiro | 2024-03-24 11:03 | カイロプラクティック | Comments(0)  

波長が合う

投手と捕手の考え方が合わない時、確認作業が急務です。痛打を浴びたからと言って、どちらかが責任をとってチームを去ることはないでしょうけど。

私たちの研究会では、講師の考え方と合わなければ研究会に出席しない人もいます。ということは、研究会に長く出席しているということは、どこかで波長が合うのでしょう。本人は意識していなくても、傍から見ると、講師や先輩の影響を受けていることが分かります。

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私も初対面の人と手技について言葉を交わす時があります。そんな時、その人の師匠の名前を知ると、見たこともないその人の施術のスタイルが何となく浮かび上がってくるのは面白いものです。細かい動作にいろいろな知恵が詰まっているように感じます。


波長の合う人とテクニックの話をする時は、専門的な概念を数式(実技の図解等)なしに説明できるのも不思議です。講義のレジュメを、数式なしに文章だけで理解してもらうには相当の筆力が必要ですけど。

講義内容を提供する力と、それを丁寧に展開する力は、テクニックを平易に説明する力量のみならず、どうすれば参加者の理解力を向上できるかのノウハウを知らないとたどり着けないもののようです。


# by kappanochiro | 2024-03-23 12:12 | カイロプラクティック | Comments(0)  

皮膚は内外界との接点

皮膚は身体内部と外界との接点になる感覚器の働きがあります。外界のさまざまな刺激は直接皮膚に触れて、その情報は皮膚に分布する多数の神経終末によって感知されます。神経線維の末端の一部は特別な終末装置を作り、一部は分化を示さず単純な自由神経終末として終わります。これらの終末は痛覚・温冷覚・触覚などにかかわります。

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皮膚の表面は平坦ではなく、小溝や小稜(高まりで指紋を作る)、シワがあります。手掌や足底は規則正しく小稜と小溝が並んでおり、指紋の模様は手指頭で際立っており触覚が鋭敏です。

指紋は個体差が著しく個体識別に利用するぐらいですから、機能的にも個体差が大きいのでしょうか。経験を積むと常人では信じられない識別能力が備わるのは、指紋で感覚の変化を掴むのでしょう。鍛えられた手技の鋭敏な触覚ですし、他の感覚でも類似した反応が起きます。


 触った感覚にはリズムがありますから、同じ手順で手技を加えていても普段とは全く違う感想を受けることはちょくちょくあるもの。
施術は触覚や圧感覚で伝わるものですから、身体で受けているわけです。今の時代、頭で考えていることが正しいと暗黙のうちに思っているようですから、身体に聴いて見ろといったところなのでしょう。

# by kappanochiro | 2024-03-22 12:59 | カイロプラクティック | Comments(0)