先人の教えを思い出すと

研究会での最後の手技は「最後を締める」出来の良い手技で終わりなさいと指摘されました。金と銅のメダルが多いチームは勝負強いといわれるのに対して、銀メダルの多いチームは課題点が多いといわれるように、勝って終わるのと負けて終わるのとでは気持ちが違います。


負けて終わると後に引いてしまいますから、研究会でも上出来の手技で締めくくると気持ちも明るく終われると言うことです。先輩方は厳しかったですが、厳しさは技術を追求するうえでの厳しさであって、それは単なる先輩と後輩という関係ではなく、仕事に取り組む姿勢も教えの中に入っていました。
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目先の利を追うような技術を覚えると、技術に美しさも風格も生まれないと注意されたこともあります。現代の言葉なら「ハウ ツーもので覚えた技術はいつか行き詰まるよ」ということなのでしょう。


研究会が終了したら自由な雰囲気を持つことも教えにあり、懇親会になっても、まだ出来の悪さを嘆いているのは上達しないという教えも思い出します。


なかなか改善しない患者さんのあと、落ち込んだ気持ちを引きずって次の患者さんの施術をしてはいけないということ。「蟻地獄に落ちる前に、早く気持ちを切り替えろ」。


# by kappanochiro | 2025-05-23 14:41 | カイロプラクティック | Comments(0)

 

組織が硬くなるとゴミが溜まる

血液の持つ作用は多様です。血液の流れが良くなれば血液の代謝が進みきれいになり、血液がきれいになれば血管年齢も若くなります。

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 血管系の病気の増加の一因に血管の詰まりがあり、それは血管の詰まりを掃除(排泄、代謝)できないからとも言えます。

血液は粘稠性を持つため加齢と共に性質は増加します。放置すると血栓の形成を呼び、不定愁訴から病気へと進行していきます。

 60代では20代と比べて約40%の毛細血管が詰まっているといいます。ゴースト血管なのでしょうか。代謝不良により血液は汚れ血管を詰まらせますから、詰まった血管を改善させるには血流の改善を図ることが重要です。

 血液のドロドロが減少すればサラサラ効果により脂肪も燃焼し、腸もきれいになるでしょう。血栓溶解作用を持つ酵素の働きが増すからと考えます。

 症状は外に現れますけど、内側(血管/潜病)にこそ問題は潜むというもの。掃除力の低下は潜病のコースに入り、何の力で掃除力を高めるかが課題になります。

# by kappanochiro | 2025-05-22 15:36 | カイロプラクティック | Comments(0)

 

大きな構造はパーツが増える(メインテナンスが必要)

下肢関節に機能障害を持つ人の歩容は特有な姿で、使う筋と使わない筋との偏りが大きくなり、全身の関節に多様な障害を生みます。腰部の自由度を大きく減じ、歩幅の狭い全身運動になるのはよい例です。

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正しい姿勢は足底の骨性3支持点が正しく機能していることと言え、足底アーチが崩れることは脊柱の彎曲を崩す要因になる「正の相関」を持つことになります。


「足腰に入らない」という形容のように、下肢に衰えが出ると足に力が入らず、踏ん張りが利かなくなるのは共通の症状です。下肢と足部は直角の関係であり、脊柱と上肢も直角です。しかし、上肢が180度の挙上ができないと変則的な動きしかできなくなります

 

 大きな構造になるほどパーツ数は増加しますけど、大きな構造だからそれに合わせた大きなパーツも使うものではありません。レギラーサイズの10倍の大きさの機械でも、各パーツはレギラーサイズであって、10倍の大きさのパーツを調達するわけではないと言うこと。つまり、使用するパーツの数が10倍に増え、それを組み立てます。


パーツ数が多くなるほど効率的な稼働を維持するにはメインテナンスが欠かせません。まさに人体の仕組みです。


# by kappanochiro | 2025-05-21 14:07 | カイロプラクティック | Comments(0)

 

小骨の役目と足底アーチ(足底弓)の崩れ

膝関節や股関節、腰部の関節は重い身体を支える目的を持つ関節です。下肢や上肢の長骨はアームの長さを活かした強大な力を発揮するのに対し、小骨の集合する手や足の関節は個々に加わる負荷を分散/吸収することで負荷の偏りをなくし、高い機能性を発揮する構造になっています。偏心荷重の減殺や相殺能力とも言えます。


小骨の役目と足底アーチ(足底弓)の崩れ_b0165362_12180809.jpgしたがって、この構造が崩れてくると巧緻運動・支持運動・ばね運動に障害を来します。大きい関節、小さい関節のどちらの機能低下がきっかけになるかはケースによって違うのでしょうけど、いずれも原因にもなるし随伴にもなります。


多いのは足部回内が固定化したことで起こる崩れで、踵骨が内側に倒れ(外反=足底の外側が上がる)、足の骨格全体に歪みを生じます。


荷重が足底の内側にかかることで内側縦足弓が崩れ、土踏まずの面積が減少。こうなると横足弓にウエーブ様の動きが起こらなくなり、横足弓も内側に向かって崩れるので足底の横の幅が広がります。


# by kappanochiro | 2025-05-20 12:22 | カイロプラクティック | Comments(0)

 

高齢者の運動はゆっくりと

高齢者は三つ以上の複合運動になると急激に難易度を増します。だから自分のスピードで取れるリズムでないと確実に運動を行えません。リズムが取れないと幸せのホルモンであるセロトニンの活性化は促されませんし、リズムを取れないことに意識が行ってしまい、むしろ精神的な緊張は増してしまうもの。


筋と脳とは正の相関があるので、動作中の集中力・判断力・記憶力・注意力といったことを司る前頭前野の活性化が起こりません。

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認知症予防の体操を謳うなら、脳のリハビリを兼ね、しっかりとしたフォームを身に付けるよう、ゆっくりした速度で行うきです。脳の入出力をきちんと図ること。能力以上のことをすると調子を崩す基になります


 運動器は軟部組織の牽引力で曲げたり伸ばしたりの運動を行います。しかし滑膜や軟骨が劣化すれば、これらが本来持つ潤滑油やクッションの役割は低下し、さらに筋や靱帯も硬く細く劣化してくるので伸縮性は大きく低下します。

 こうした状態が固定化し、働きが低下すると関節面の曲面形状の利点を生かせず関節運動軌跡が変形してしまいます。


# by kappanochiro | 2025-05-19 13:58 | カイロプラクティック | Comments(0)